米大統領選で「大規模な不正があった」と信じて疑わないトランプ大統領の支持者が連邦議会に乱入した2021年1月6日は、米国の民主主義に危機が迫った日として歴史に刻まれるだろう。選挙結果を覆そうという行為は事実上のクーデターとみなされてもおかしくはない。暴徒化したトランプ氏の支持者は議会の建物内を荒らして回り、上院本会議場を占拠した。その映像が各種メディアで世界中を駆け回ったことで、「衰退する米国」というイメージがさらに強まったのも間違いないだろう。
一方で、トランプ氏が事実上、けしかけた連邦議会の騒乱は、前向きな変化ももたらしたという評価もある。ワシントンの政界は、民主党と共和党とに真っ二つに割れ、一切妥協できない空気が支配していた。だが、トランプ氏の破滅的な言動に与党である共和党も反発を強め、民主、共和両党の指導部が、ともにトランプ氏を批判するという構図になった。…
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