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Wednesday, January 13, 2021

返金騒動の『サイバーパンク2077』が今後の計画発表。DLCより修正優先、PS5 / Xbox Series X|S版は2021年後半 - Engadget日本版

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Boxes with CD Projekt's game Cyberpunk 2077 are displayed in Warsaw, Poland, December 14, 2020. REUTERS/Kacper Pempel

Kacper Pempel / reuters

不具合と返金騒動で話題になった『Cyberpunk 2077』のメーカー CD Projekt Red が、今後のアップデート計画を公表しました。

新たに公開されたアップデート計画の基本方針は、不具合の修正と品質改善が優先、DLCや次世代機への最適化は後

今後10日以内にバグ修正・改善パッチ1.1、さらに数週以内により大きなパッチ1.2を配信したのち、今後も複数の更新や改善をコンスタントに提供します。

「2021年早期」として予告されていた無料DLCについては、大きなバグや不具合修正を優先したうえで、今後数か月のうちに改めて案内します。

またPlayStation 5 / Xbox Series X|S版アップデート提供の目標は2021年後半であることが明かされました。

返金対応や株主からの訴訟など大きく躓いた本作ですが、今後も長期的に成長させてゆく方針に変更はないことも強調しています。

Cyberpunk 2077

CD Projekt Red

『Cyberpunk 2077』は、オープンワールドRPGのヒット作『ウィッチャー3』で知られるCD Projekt Redが、いわゆるサイバーパンクものの世界観をゲーム化した作品。

人間を超えたAIの出現や人格のデジタルコピー、人体を置き換え強化するサイバーウェア、リゾート宇宙ステーションに空飛ぶクルマなどテクノロジーは発達する一方で、強欲な巨大企業間の抗争と政府の失墜で治安は悪化し、街は様々な派閥の犯罪組織が幅を利かせる暗黒の未来というあれです。

2012年の開発発表以来、期待の超大作として扱われてきましたが、発売予定の2020年になってから何度か延期を繰り返し、発売直前にも「延期で信頼を裏切るのは苦渋の決断だが、納期優先で無理に発売するよりも、品質を優先するほうが長い目でみて作品のために、ファンのためになる」「コンテンツはすべて完成しているがDay 0パッチの仕上げに時間が必要」(大意)といった説明で小刻みに延期したうえで発売を迎えました。

しかし発売直後から進行不能を含めたバグの報告が多く、特にPS4 / Xbox One 版では、オブジェクトやキャラクターが消える・突然現れる・テクスチャ読み込みが間に合わずのっぺらぼうのような物体になる・キャラクターや乗り物が空を飛ぶ、建物や地面にめり込む・一定時間遊んでいると予告なしにゲームが落ちてやり直しになるといった症状が多発。

明確なバグや不具合以外にも、ゲームの主な舞台となる複雑な都市の場面ではフレームレートが非常に低くカクカクした描画になるなど、一定の審査を経て発売されるはずのゲーム機では最近なかなかお目にかからない低品質でした。

PC版を要求仕様に満たないハードウェアだと分かって無理やり動かしたならいざしらず、家庭用ゲーム機の目玉タイトルとして大規模な宣伝がされていたタイトルだけに、最低限頻繁に落ちずに遊ぶこともできない状態での発売には当然ながら不満の声が上がり、CD Projekt Red は謝罪と返品・返金対応をとっていました。

プレイステーションではダウンロード版がストアから削除される事態になっており、現在も購入できません。

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CD Projekt Redは発売直後から小刻みに3度の修正パッチ(ホットフィックス)をリリースしていましたが、今回改めて、開発責任者みずからこうした事態になった理由の説明と、今後のロードマップについて説明しました。

『サイバーパンク2077』が大きな批判を浴びた背景には、特に前世代ゲーム機で低品質だったこと以上に、マーケティングに使われていたPC版とは似ても似つかないグラフィックの粗さや、フレームレートが極端に低いこと、しばらく遊ぶだけで落ちる(メモリ管理に問題がある)といった、テストプレイすればすぐに分かる状態を「隠していた」ことがあります。

体験版はおろかゲーム機での実機プレイ動画もほとんどなく、メディア向けのレビューソフトもPC版は発売の10日ほど前に配布されたのに対して、ゲーム機版は発売二日前で、結果としてレビューを参考に購入や予約の判断をすることもできませんでした。

サイバーパンク2077は予約だけで800万本を販売しており、CD Projekt Red はメーカーとしてゲーム機版がこのような状態であることを当然把握していながら、事前予約や前評判に響くことを恐れて敢えてPC版の素材ばかりをマーケティングに用いたのではないか、意図的なだまし討ち・売り逃げではないかというのが批判の論点のひとつです。

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「テストでは発生しなかった」「最終的に直ると信じていた」

「Our commitment」では謝罪や技術的な説明とともになぜこうなったかの回答も語られています。CD Projekt Red の説明は、煎じ詰めれば「開発者であるわれわれも、最後の瞬間まで、Day 0パッチで事態が改善すると信じていたから」。

前世代ゲーム機でのプレイ動画などをほぼ公開しなかったのも、レビューがPC版よりも遅く発売2日前だったのも、最終的には改善すると「信じていた」ために、製品を反映しない状態で表に出すことを避けたから、完成版に近い状態でレビューを望んだから、ということになります。

説明を額面通りに受け取るかどうかはともかく、低品質を把握していながら隠していたのだろう、との批判に対しては、直前まで発売日パッチで修正を続けていた開発元である以上知りませんでしたというわけにもゆかず、「最終的に直るとわれわれ自身も信じていました」、なんら打算も悪意もなく見込み違いでした、という以外の釈明はなさそうです。

(FAQでは、Q:前世代ゲーム機での品質はテストプレイで把握していたのではないか、に対して、A:テストはしましたが、プレーヤーが体験したような問題の多くはわれわれのテストでは見つかりませんでした。発売が近くなるにつれ毎日大きな進展があったために、最後のDay 0アップデートで改善できると心から信じていました。と回答しています)

不具合・低品質の主な原因はストリーミングの帯域幅

前世代ゲーム機でのプレイが非常に低品質であった理由としては主に2つが挙げられています。

  1. まずPC版をすばらしいものにして、それを元にゲーム機版を性能にあわせて調整する開発方針であったこと。(その際に、難しさを甘く見ていたこと)

  2. ストリーミングシステムの最適化がうまくゆかなかったこと。

サイバーパンク2077は、オープンワールドの移動中にほぼロード画面や休止を挟むことなく進行します(ファストトラベル等は除く)。多くのゲームと同様、ゲーム内のオブジェクトやマップ等々は、プレーヤーの移動やゲームの進行と同時に、ストレージから常に読み込んでメモリ内に展開します(これがストリーミング)。

前世代ゲーム機はこのストリーミングに必要な帯域幅が狭い、要するに転送が遅いうえにメモリが少ないため、特に複雑なサイバーパンク2077の場合は調整に苦戦したという説明です。(最低仕様が固まっているゲーム機で、PS4やXbox Oneが出てから何年経っているんだという気もしますが、頑張ればやれると信じていたというオールマイティな釈明があるので仕方ありません)。

逆に言えば、PCでも発生していた(現在も残っている)クエスト関連のバグや進行不能を別とすれば、前世代ゲーム機で発生していた不具合の多くはこの帯域の遅さやメモリ管理が原因となっているため、同じゲーム機版でもPS5 や Xbox Series X|Sの互換機能で遊べば、メモリの多さとストレージの速さで概ねそうした問題は避けて快適に遊べます。

PS5 や Xbox Series X|Sの真の性能を発揮したナイトシティで遊ぶのは2021年後半とかなり先になってしまいましたが、ゲーム自体を遊ぶのであれば、現状のままでも最新世代機ならば問題はありません。

(グラフィックや街の雰囲気を優先するのであれば、RTX 30シリーズなどレイトレーシング対応の最新ゲーミングPCで遊ばないと勿体ない、という意見もありそうですが、そこは動画などを見ていつまで待てるかで判断してください。最新世代ゲーム機もゲーミングPCもない場合、クラウドゲームサービスで遊ぶ手もあります)。

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