2020年09月11日17時56分
記者会見する菅義偉官房長官＝１１日午後、首相官邸
自民党総裁選に立候補している菅義偉官房長官は１１日、将来的に消費税率を引き上げる必要があるとした自らの発言について、従来の政府方針を逸脱するものではないと強調した。早期の衆院解散もあり得ると政界が身構える中、新首相就任が有力視される菅氏が軌道修正した。だが、野党はにわかな増税論を格好の攻撃材料とみて「解散・総選挙の大きな争点になる」（立憲民主党の安住淳国対委員長）と早速飛びついた。
菅氏は１０日夜のテレビ番組で、少子高齢化・人口減少への対応のため「行政改革を徹底して行った上で、消費税は引き上げざるを得ない」と明言した。具体的な時期には言及しなかった。一夜明けた１１日の会見では、消費税増税について「今後１０年間ぐらい必要ない」とした安倍晋三首相の２０１９年７月の発言を引き合いに「私も同じ考えだ」と釈明。「将来的な話」だとして沈静化に努めた。
衆院議員の任期満了を来年１０月に控え、解散・総選挙の時期が焦点となる中での突然の増税発言に、政権内からは戸惑う声が相次いだ。菅氏を支援する二階派幹部は「正論だが、衆院選が１年以内にある現状では不用意な発言だった」と苦言を呈した。政府関係者も「今言う必要はない」と同調。公明党の斉藤鉄夫幹事長は会見で「現在の税率になってまだ日がたっていない」として、増税論議は時期尚早とくぎを刺した。
投開票が１４日に迫った総裁選を戦う他の２候補も、菅氏の発言に反応した。岸田文雄政調会長は「（自身は）必要であれば消費税の引き上げを考える立場だ。違和感はない」と理解を示す一方、石破茂元幹事長は「逆進性を強く持つ消費税が低所得の方々に負担となっていることは間違いない」と疑問を呈した。ただ、今のところ菅氏の圧倒的優位な情勢に変わりはなさそうだ。 
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September 11, 2020 at 01:56AM
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菅氏、消費増税で軌道修正 「将来必要」発言釈明―自民「不用意」、野党「争点化」 - 時事通信
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