トランプ氏は失業給付を上乗せする大統領令に署名した(8日、米ニュージャージー州)=ロイター
【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は8日、失業給付の上乗せなどを盛り込んだ追加の新型コロナウイルス対策を、大統領令で急きょ発動した。給与税の納税や学生ローンの利払いも当面猶予する。膠着状態の議会審議を見切って大統領権限を発動するが、歳出の決定権は原則として議会にある。法廷闘争になれば、国庫支出を差し止められる可能性もある。
大統領令で発動したのは(1)失業給付を週400ドル上乗せ(2)給与税の納税を猶予(3)学生ローンの利払い猶予(4)住宅の強制立ち退きの一部停止――の主に4つだ。米政権・議会は3月に2.2兆ドルの財政出動に踏み切ったが、失業給付の加算など一部の雇用維持策は、7月末から8月初旬にかけて相次ぎ適用期限が切れていた。
失業給付は受給者が2500万人と規模が大きく、特例加算の失効で家賃が払えなくなる失業者が増える懸念があった。米議会は7月末までに給付の上乗せの延長を決める方針だったが、共和党は週200ドルへの減額を求める一方、民主党は同600ドルの維持を主張。与野党の対立で延長法案の成立が遅れていた。
トランプ氏が出した大統領令は、失業給付の加算額を週400ドルに減額する一方、制度そのものは延長する。非常事態宣言の発出によって、大統領には連邦政府が持つ緊急災害基金から雇用支援の資金を拠出する権限があり、コロナ対策にも活用する。給付の開始時期は現時点で明らかになっていない。
納税を猶予する給与税は、労使がそろって給与の6.2%分を負担する社会保障財源だ。税収は年1兆ドル規模と全歳入の3分の1を占める基幹税で、9月から12月末まで徴税を猶予するよう財務省などに指示した。トランプ氏は8日の記者会見で「11月の大統領選が終われば、納税を免除する」と主張した。
米国憲法は税財政の決定権を米議会に与えており、大統領令で連邦政府の歳出を決めるのは極めて異例だ。トランプ氏は19年2月にも非常事態宣言を出してメキシコ国境の壁の建設費を大統領令で拠出したことがある。米議会は与野党そろって反発し、法廷闘争になって最後は連邦最高裁がゴーサインを出した。
野党・民主党はこれまで「大統領令を発令しても無効だ」(ペロシ下院議長)と強く批判してきた。民主党内には「議会の予算編成権の侵害」として提訴も辞さない考えで、法廷闘争になればトランプ氏が求める国庫支出は一時差し止められる可能性が高い。トランプ氏は8日の記者会見で「訴訟になるかもしれないが、それは失業給付をブロックする非常に不人気な手段だ」と野党・民主党などを挑発した。
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August 08, 2020 at 02:54PM
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新型コロナ:トランプ氏、失業給付増額へ大統領令 混迷議会見切る - 日本経済新聞
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