2020年08月04日07時14分
【ソウル時事】韓国最高裁が元徴用工訴訟で新日鉄住金(現日本製鉄)に賠償を命じた判決で、日本製鉄の韓国内資産の「現金化」に向けた司法手続きが進んでいる。4日に大邱地裁の資産差し押さえ決定に絡む書類が同社に届いたと見なす「公示送達」の効力が発生。日本製鉄は即時抗告する方針を示した。日本製鉄側の主張が認められなければ、地裁は資産売却命令に向けた次の手続きに入ることになる。
原告側は日本製鉄が韓国で設立した合弁会社の株式のうち、日本製鉄所有株の一部を差し押さえている。即時抗告が棄却されれば、地裁は資産鑑定や日本製鉄側の意見を聞く「審尋」を経て、売却命令を出す見通し。原告側は早期の売却を求めているが、手続きにはなお時間がかかり、実際の現金化は年末以降になるとの見方が強い。
1965年の日韓請求権協定で問題は解決済みとの立場を取る日本政府は現金化されれば、「深刻な状況を招く」(菅義偉官房長官)と報復措置を警告し、韓国をけん制。一方、韓国側は資産売却に対し「司法手続きの一部であり、政府としてはその過程に介入できない」(康京和外相)とする立場を変えておらず、日本の報復措置への警戒を強める。
韓国国会では解決策として日韓企業などによる寄付で基金を創設し、元徴用工に支給することを柱とした法案が提出されているが、審議は進んでいない。日韓両政府の主張が平行線をたどる中、売却を回避するための具体的解決策を模索する動きは見えない。
8月14日に文在寅政権が制定した「慰安婦の日」、15日には日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」を迎える。文大統領が日本に厳しいメッセージを出すことも予想され、日韓対立がさらに激化する可能性がある。
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August 03, 2020 at 03:14PM
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「現金化」へ進む司法手続き 日本製鉄、差し押さえに抗告へ―元徴用工訴訟 - 時事通信ニュース
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