東アジア「深層取材ノート」(第38回)
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6月4日は、天安門事件31周年だった。中国では当時、民主化を求める学生運動を行った人々を、密かに「六四世代」と呼ぶ。私は日本人なので、もちろん運動に参加したわけではないが、ちょうど同世代のため、「六四世代」の友人知人が少なくない。
そんな中の一人は、数年前から、この日の話題をSNS上で行う際、わざわざ「五月三十五日」と書いてくるようになった。「六月四日」と書いて、検閲の対象になることを恐れているのだ。
その彼が今年は、この日の夜になって、こんなメッセージを送ってきた。
<今日は朝から、実に静かだ。天安門広場の付近が、最も静まり返っているらしい。昼になっても夕方になっても、騒がしい気配はまったくない。と思ったら、夜7時になって、けたたましい『新聞聯播』が鳴り出した>
日本語に訳すと、雰囲気がうまく伝わらないが、前半は、厳重すぎる警備を皮肉っている。後半の「新聞聯播」(シンウェンリエンボー)というのは、CCTV(中国中央電視台)の夜のメインニュースだ。14億国民が知りたいことというより、中国共産党政権が14億国民に「教示」したいことを、30分間流す。
ちなみにこの日の晩の「新聞聯播」では、香港に安全法を制定することは、香港の長期久安と繁栄発展につながるものだと強調していた。また、シリア副外相、コロンビア前大統領、ザンビア大学教授らにインタビューして、「これは完全に中国の内政の問題だ」と言わせていた。
コロナ感染防止を「口実」に天安門事件追悼集会を禁止
その香港では、31年目にして初めて、天安門事件記念日の追悼集会が禁止された。「新型コロナウイルスの蔓延を防ぐため、9人以上の集会はまかりならない」ということを口実にした。
中国政府は、今年の「六四」を迎えるにあたって、林鄭月娥・香港特別行政区行政長官、鄭若驊・同律政司長、李家超・同保安局長、鄧炳強・同警務処長、陳国基・同行政長官弁公室主任の「5人組」を北京に呼びつけた。5人組は、「六四」前日の午後、中南海で中国共産党中央政治局常務委員会(トップ7)で香港問題を担当する韓正・常務委員と面会した。
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June 04, 2020 at 04:00PM
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香港制圧を急ぐ中国政府の「恐れと危機感」 - JBpress
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