[15日 ロイター] - 米フロリダ州連邦地裁の判事は15日、トランプ前米大統領の機密文書不正保管に関する起訴を棄却した。大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ氏に新たな追い風となった。
この事件では、トランプ氏が2021年の退任後に国家安全保障に関わる機密文書を違法に持ち出して私邸で保持し、文書を回収しようとする政府の動きを妨害したとされていた。
判断を示したのは、トランプ政権時に指名されたキャノン氏。事件を指揮するスミス特別検察官は違法に任命され、起訴する権限を持たないと判断した。
トランプ氏の弁護団は、ガーランド司法長官が22年にスミス氏を特別検査官に任命したことに関して、法的権限に異議を唱えていた。
他の事件では、政治的に難しい捜査を担当する特別検察官を任命する権限に関して、裁判所が繰り返し支持してきた。そのため、検察側はこの判断を不服として上訴する可能性が高い。国家安全保障を専門とする法律家のブラッドリー・モス氏は「今回の判断は約20年にわたっての先例に反する」と指摘した。
スミス氏はワシントン連邦地裁でもトランプ氏が20年米大統領選の結果を覆そうとしたとする事件を巡り起訴しているが、トランプ氏側は同様の異議申し立てをしていない。
米連邦最高裁は今月1日、トランプ氏が20年米大統領選の敗北を覆そうとした罪で起訴されている裁判を巡り、在職中の公的な行為について「免責特権」を認める判断を下した。これに続く今回の起訴棄却は、トランプ氏にとって新たな法的勝利となる。 もっと見る
トランプ氏はソーシャルメディアへの投稿で、自身に対する刑事訴訟4件全ての却下を求め、キャノン氏の判決を「第一歩」とすべきだと言及。「司法制度の武器化を終わらせるために団結しよう」と呼び掛けた。
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