ロシアの反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が収監中に死亡したことを受け、露各地では発表から一夜明けた17日も支持者らによる追悼の献花が続いた。当局は無許可の集会だとして参加者の一部を拘束し、統制を強めている。ロシアではプーチン政権に批判的な活動家や野党政治家などの「不審死」が相次いでおり、ナワリヌイ氏が突然死亡した経緯を巡って臆測を呼んでいる。
独立系人権団体「OVDインフォ」によると、政治的弾圧による犠牲者の追悼記念碑などへの献花は16日に始まり、17日朝の段階で計102人が拘束された。サンクトペテルブルクでは64人が拘束されたという。参加者は「これは殺人だ」「私たちは諦めない」などと書かれた紙を掲げ、政権批判の声を上げていた。
抗議行動は16日、ドイツなど欧州各地の露大使館前でも展開された。
「私が殺された場合、伝えたいメッセージは『諦めるな』だ」
2022年のドキュメンタリー映画「ナワリヌイ」で、ナワリヌイ氏は命が狙われていると自覚し、殺害された場合にロシア国民に何を訴えたいかを監督に問われ、こう答えていた。
「もし(プーチン政権が)私を殺すと決めれば、それは我々がとてつもなく強いということだ」とも述べ、抵抗を呼びかけていた。
ナワリヌイ氏の死因を巡って露国営メディアは「血栓」と伝えてはいるが、詳細は明らかになっていない。15日に開かれた裁判にオンラインで出廷した際の動画では、健康不安の兆候は見られなかったという。
ノーベル平和賞受賞者のドミトリー・ムラトフ氏はナワリヌイ氏が「懲罰房で低カロリーの食事しか与えられず、3年間の拷問に苦しんだ」と指摘し、当局が「殺害した」と非難した。
2000年から政治実権を握り続けるプーチン氏を批判してきた要人らは露国内で活動ができなくなっている。女性記者のアンナ・ポリトコフスカヤさんや野党指導者のボリス・ネムツォフ元第1副首相はいずれも射殺された。元露情報機関員のアレクサンドル・リトビネンコ氏は亡命先の英国で放射性物質ポロニウムを盛られ、死亡した。
元「石油王」ミハイル・ホドルコフスキー氏は約10年間の服役後、亡命した英国を拠点に反政権メディアなどを運営しているが、露国内での影響力は限定的だ。
からの記事と詳細 ( 過去には女性記者射殺も…ロシアで相次ぐ活動家らの「不審死」、ナワリヌイ氏の死因「血栓」報道も臆測呼ぶ - 読売新聞オンライン )
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