日本維新の会の池下卓衆院議員(48)=大阪10区=が、地元の大阪府高槻市議だった男性2人を市議の任期中に公設秘書として採用していたことが明らかになった。2人が兼職していた期間はそれぞれ約4カ月~約1年半で、いずれも税金が原資の秘書給与と議員報酬を二重で受け取っていた。うち1人は2022年中に総額約2000万円の報酬を得ていた。
国費で給与がまかなわれる公設秘書の兼職は、04年の国会議員秘書給与法改正で原則禁止された。議員が許可すれば認められる例外規定があるが、池下氏側は同法で義務付けられた「兼職届」を衆院議長に提出していなかった。
池下氏は取材に秘書の兼職を認め、「2人とも休日返上で秘書としても一生懸命働いており、報酬面の問題はない」と説明。池下氏の事務所は「届け出書類の提出を忘れていた。情けないミスで本当に反省している」と陳謝した。
国会議員は公設秘書を計3人まで雇うことが可能で、政策秘書と第1秘書、第2秘書と呼ばれる。3人は国家公務員特別職に位置づけられ、国から支払われる給与額は年齢や在職期間で決まる。
維新本部「何ら否定されるものではない」
池下氏は21年10月の衆院選で初当選。維新の母体となる地域政党・大阪維新の会の高槻市議だった甲斐(かい)隆志氏(59)を公設第1秘書として採用した。甲斐氏は23年4月の市議選に出馬せず、それまでの約1年半の間、秘書と市議を兼務した。
22年は少なくとも約900万円の秘書給与を衆院から受け取り、市議報酬とともに年間約2000万円の報酬を得ていたという。甲斐氏は市議引退後も公設秘書を続けている。
もう1人は大阪維新に所属する大阪府議の市来(いちき)隼氏(36)。高槻市議だった際に甲斐氏とともに公設第2秘書として採用された。市来氏は後任が決まるまでの約4カ月間兼職し、この間に100万円超の秘書給与を受け取っていたとみられる。
2人は東京・永田町にある議員会館の事務所ではなく、主に地元事務所を拠点に秘書業務にあたっていたとされる。東京の事務所は政策秘書が仕切っている。
公費の無駄遣いを批判する維新は、自らの襟を正すため「身を切る改革」を旗印に、国会議員や地方議員の報酬削減や国家公務員の総人件費2割カットなどを訴えている。
維新の党本部は毎日新聞の取材に「兼職は仕事の実態やパフォーマンスで個別に判断されるべきで、何ら否定されるものではない」と文書で回答した。
日本大の岩井奉信名誉教授(政治学)は兼職について「国家公務員として公設秘書の仕事に専念すべきだ。兼職なら市議の仕事も片手間になるのではないか。兼職できるという認識自体が信じられない」と批判した。【田中謙吉、二村祐士朗、藤河匠】
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