イラン警察が取り締まり強化発表、ヘジャブしない女性は減らず…大量摘発の情報もなし - 読売新聞オンライン

　【テヘラン＝吉形祐司】イラン警察当局が７月１６日、髪を隠すスカーフ「ヘジャブ」をかぶらない女性の取り締まり強化を発表した。ところが、ヘジャブ不着用の女性は減らず、大量摘発の情報もない。エブラヒム・ライシ政権は、ヘジャブ着用の徹底を求める保守強硬派に配慮する一方、昨年広がったヘジャブ抗議デモの再燃も避けたいジレンマに陥っている。

　首都テヘランのスポーツ施設で７月１３日に開かれた毎年恒例のヘジャブ推進集会は、怒号に包まれた。

　「政府から給与を得ている役人にも（庁舎外では）ヘジャブをかぶらない連中がいる。許せない」

　壇上の司会者がマイクで叫ぶと、各地から参加した女性たちが観客席で指笛を鳴らし、拳を突き上げて「そうだ」と応じた。全員がヘジャブを着用している。

　保守強硬派のライシ政権の「支持者」でもある参加者が批判の矛先を向けるのは、政府がヘジャブ着用徹底のため５月末に国会に提出した新法案だ。違反者に寛容すぎるとして、超強硬派の不評を買った。

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