イエレン米財務長官は9日、4日間にわたる北京訪問を締めくくる記者会見を行い、「不公正」な経済慣行について中国側に迫ったことを明らかにした上で、今後の米中関係を巡り現実的かつ前向きな姿勢を示した。
ここ数年、台湾からテクノロジーへのアクセスに至るさまざまな問題で米中間の摩擦が大きく増えている。そうした中で、同長官が今回の中国滞在中に行った協議は計10時間に及んだ。
イエレン長官は「直接的で実質的」な会談ができ、米中関係を「より確かな基盤」に近づけたと語った。
同長官は特に何立峰副首相と5時間にわたり話し合い、中国の新たな経済チーム発足後、2人の政策責任者の間で初めて集中的な意見交換が行われた。李強首相との会談では、米中関係についてより広範に意見が交わされた。
中国を経済的に抑え込むことなく、米国の国家安全保障を守るという、イエレン長官が4月に概要をまとめた政策の最初の大きな試練となったのが今回の訪中だ。
同長官は中国の経済政策に対する懸念を表明する一方、特に気候変動や貧困国の債務問題といった世界的な課題に関して、米中間の協力と関与の拡大を求めた。
中国の「非市場的」慣行や、米企業に対する中国側の「威圧的行動」増加などといった問題もイエレン長官は提起。また、ウクライナを侵略しているロシアに中国企業が物資支援を行わないよう警告した。
ただ、こうした主張にもかかわらず、同長官が中国側に発した全体的なメッセージは、世界1、2位の経済大国である米中の競争は「勝者総取り」ではなく、双方が公平なルールで競争関係を管理すべきだというものだった。
イエレン長官は「バイデン大統領と私は、米中関係を大国間の対立という枠で捉えてはいない」と説明。「世界は米中が繁栄するのに十分大きいとわれわれは考えている」と話した。
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原題: Yellen Says US-China Ties on ‘Surer Footing’ After Critical Trip (抜粋)
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