自民党は26日、第90回党大会を東京都内のホテルで開催した。岸田文雄首相はあいさつで「物価高から国民の生活や企業活動を守る。何をおいても物価高に打ち勝つ賃上げが必要だ」と述べ、政労使一体で構造的な賃上げの実現を目指す考えを示した。「エネルギーや食品の価格を抑え込むとの国民との約束をこれからも守る」とも語り、追加の物価高対策の検討を示唆した。
首相は2012年12月の政権奪還から10年が経過したことを挙げ「(旧)民主党政権により失われた日本の誇り、自信、活力を取りもどすための前進の10年だった」と成果を強調。「次の10年間を作るため挑戦を続ける」と述べた。政権奪還の原点に立ち戻るとし「おごりを捨て、虚心坦懐(たんかい)に徹底的に国民の声に向き合う」と宣言した。
新型コロナウイルス対策では、3月からのマスク着用緩和や、5月からコロナの感染症法上の位置付けを引き下げることに触れ「新たな一歩を踏み出す時が来た。日常を取り戻し、暮らしを前に進めていく」と指摘。少子化対策に関しては「従来とは次元の異なる子ども・子育て政策を実現し、社会全体の意識を変える」と述べた。
憲法改正を巡っては「時代は憲法の早期改正を求めている」と改憲への意欲を示し「野党の力も借り、国会での議論を一層、積極的に行う」と語った。安定的な皇位継承への対応も「先送りの許されない課題」とし、国会での検討を進める考えを示した。
首相はロシアによるウクライナ侵攻などを念頭に「戦後最も複雑で厳しい状況の中、いかなる事態が生じても国家、国民を断固として守る」と表明。5月に広島で開かれる主要7カ国(G7)首脳会議に関しては「アジアから、世界の平和と繁栄の新しい秩序を主導していく」と語った。
党大会では、4月の統一地方選を「今後の党の浮沈をかけた一大決戦」と位置づけ勝利を期すことなどを盛り込んだ23年運動方針を採択した。首相は統一選に向け「まなじりを決して勝ち抜こう」と呼びかけ、同時に実施される見通しの衆参5補選について「なんとしても自民党の議席を守り抜く」と強調した。来賓として出席した公明党の山口那津男代表は「国政での連立だけでなく、地方政治の安定基盤を共に確保していく」と述べた。【今野悠貴、藤渕志保】
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