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Saturday, June 18, 2022

【独自】軽貨物車、5年で重大事故8割増…大半が宅配委託の個人事業主 - 読売新聞オンライン

 主に宅配で使われる事業用軽貨物車(黒ナンバー車)が原因で死者や重傷者が出た重大事故が、2021年までの5年間で8割増えたことがわかった。読売新聞が警察の交通事故データを分析した。事故総数が減る中で目立って増えており、台数当たりの事故件数は車全体平均の4・5倍。国土交通省は、ドライバーの大半が宅配を業務委託された個人事業主とみている。労働時間の規制がなく、宅配荷物の増加が事故増の背景にあるとみられる。

 警察庁や公益財団法人「交通事故総合分析センター」(東京)の10年以降の事故データを分析した。

 黒ナンバー車が主たる原因の「第1当事者」となった重大事故は16年(199件)までは減少傾向にあったが、翌17年から増え、21年は16年比で83%増の365件(うち死亡21件)だった。軽傷を含む死傷事故全体でも21年は26%多い4616件。この8割が業務中だった。

 交通事故全体の数は16年以降で約4割減少しており、主な車種別で増えたのは黒ナンバー車と自転車だけ。重大事故に限ると、黒ナンバー車だけが増えていた。

 1万台あたりの事故件数も黒ナンバー車が際立ち、21年は151・5件と車全体(33・6件)の4・5倍。軽以外の事業用貨物車(緑ナンバー車、79・9件)と比べても1・9倍だった。

 ネット通販の普及に伴う宅配荷物の急増で物流業界では個人事業主に宅配を業務委託する動きが広がっている。黒ナンバー車は、21年末で約30万台と16年末から約7万台増えた。

 黒ナンバー車での運送業は、緑ナンバー車と違って国の許可は必要なく、届け出だけで始められ、新規参入が増えているとみられる。

 しかし、個人ドライバーは労働基準法の対象外で、過重労働が広がっている可能性がある。

  ◆事業用軽貨物車= 貨物自動車運送事業法に基づき、有償で他人の荷物を運ぶ軽貨物車。ナンバープレートは黒地。1人でも運輸局に届け出れば始められる。軽以外の事業用貨物車(緑ナンバー車)は1人で営業できない。

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