ロシアによるウクライナ侵攻25日目の20日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)の住宅地などへ砲撃があり、1人が死亡した。ロシア国防省はロシア軍が包囲したウクライナ南東部の港湾都市マリウポリに降伏するよう求めたが、ウクライナ側はこれを拒否した。中国の秦剛駐米大使は同日、米CBSニュースに対して、中国はロシアに武器や弾薬を送るつもりはないと述べた。また、和平交渉を仲介しているトルコの外相は、ロシアとウクライナの合意は近いと述べた。
中国の駐米大使は武器供与を否定
中国の秦剛駐米大使はCBSニュースに対して、中国はロシアの対ウクライナ戦争を支援する武器や弾薬を提供するつもりはないと述べた。さらに、「危機のエスカレーションを避けるため」中国政府はなんでもすると話した。
中国政府はこれまでも、ロシアへの武器供与の報道は「偽情報」だと反論していたものの、これまでのところロシアのウクライナ侵攻を明確に批判していない。
秦大使はCBSに対して、西側が公然と中国を非難するのは「有用ではない」し、「良い外交」が必要だと述べた。
こうした中、ウクライナとロシアの和平交渉を仲介しているトルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相は、両者の合意は近いと述べた。ロシアはウクライナの非軍事化や「非ナチス化」、ウクライナ国内でのロシア語の保護などを求めているという。
エルサレムで交渉か
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は米CNNのインタビューで、ロシアとの交渉の失敗は「第3次世界大戦」を意味すると述べ、交渉の重要性を強調した。
ゼレンスキー氏はCNNに対し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と直接交渉する用意があるとし、交渉が戦闘を終わらせる唯一の方法だと考えているとも述べた。
「交渉の可能性を得るためには、我々はどんな形式でも、どんなチャンスでも利用しなければならないと思う」
一方で、ロシアが支援する分離独立派の支配地域を独立国家として承認することを、ウクライナ側に要求するような合意は拒否するとした。
また、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)の加盟国だったなら「戦争は始まらなかった」との考えを示した。
「NATOの加盟国に我々を迎え入れる用意があるなら、すぐにでもそうしてほしい」、「毎日のように人が死んでいるので」と、ゼレンスキー氏は訴えた。
<関連記事>
ゼレンスキー氏はさらに同日、国民向けの演説動画で、イスラエル政府が首脳級和平交渉の場を設けようとしてくれているため、エルサレムで協議する可能性があると述べた。
ロシアがマリウポリ降伏要求、ウクライナは拒否
ロシア国防省は、ロシア軍が包囲したウクライナ南東部の港湾都市マリウポリに対し、現地時間21日午前5時(日本時間同日正午)までに降伏するよう求めた。
同省は、ウクライナ側からこの提案に対する回答書を受け取った場合、現地時間10時までに住民が避難できるよう人道回廊を開放するとしていると、ロシア国営通信社「RIAノーボスチ」は報じた。
同通信社によると、ロシア国家防衛管理センター長のミハイル・ミジンツェフ大佐は、降伏条件に同意しない場合、地元当局者は「軍事裁判」にかけられる可能性があると話したという。
ウクライナのイリナ・ヴェレシュチュク副首相は21日未明、マリウポリが降伏することは「絶対にありえない」とした。
「このことはすでにロシア側に伝えてある」とヴェレシュチュク氏が述べたと、ウクライナ・プラウダ紙は報じた。
マリウポリをめぐっては、市議会が19日、「数千人」の市民が不法にロシアへと強制連行されたとして、ロシアを非難している。
7000人以上が人道回廊を通じて避難
ヴェレシュチュク副首相によると、20日にウクライナ各地の都市から人道回廊を通じて避難した人数は計7295人だった。
予定される7つの安全ルートのうち、4つが機能しているという。
7295人のうち3985人はマリウポリからザポリッジャ(ザポロジエ)に避難した。政府は21日に約50台のバスで避難民を迎えに行く予定だと、ヴェレシュチュク氏は付け加えた。
首都の住宅地などに砲撃、1人死亡
キーウでは20日遅く、住宅地や商業地区への砲撃が報告された。
ヴィタリー・クリチコ市長によると、ポディルスキー地区で1人が死亡した。ショッピングセンターの1つでは火災が発生し、消火活動が行われているという。
ウクライナ緊急サービス局(SES)は、同地域での救助・消火活動の画像を公開した。BBCはこれらの画像を独自に検証できていない。
SESは死亡したとみられる人について調査中としている。
目撃者たちは、複数の爆発があったと証言している。
からの記事と詳細 ( マリウポリは降伏拒否 中国はロシアに武器供与せずと駐米大使 ウクライナ侵攻25日目 - BBCニュース )
https://ift.tt/i8TD2r6
No comments:
Post a Comment