Nippon News Network(NNN)
京王線の中で乗客が切りつけられ、１７人が重軽傷を負った事件で、当時の車内の様子がわかってきました。事件が起きた電車に乗っていた夫婦が取材に応じ、ナイフを持った男が乗客を追い詰めるように迫る、緊迫した車内の様子を明かしました。 ◇ 当時車内にいた夫婦（夫）「ただごとじゃないことが起こってるんだなと」 当時車内にいた夫婦（妻）「私か主人かどちらかが刺されてしまうんじゃないかという恐怖」 その時、電車内で何が起きていたのでしょうか。 夫婦の目の前に現れたという服部恭太容疑者（２４）。逃げ場のなかった電車内。恐怖の３分間をカメラに語りました。 夫「夕食をとって自宅に帰る途中でですね。特急電車に乗って、早く帰りたかったので」 当時、夫婦は向かい合う形で座っていたといいます。 すると突然。 夫「乗客の方が慌てて逃げてこられて、女性の方は悲鳴（あげながら）ですかね。私が乗っていた車両の連結部分でどんどんどんどん人がたまっていって、立ち往生するような状況」 振り向くと、血の付いたナイフを持って、服部容疑者が歩いてきたといいます。 夫「冷静にたんたんとナイフを揺すらせながら歩いてきて、“はい追い詰めた”という雰囲気は感じとれました」 そして、ペットボトルを取り出しました。 夫「ペットボトルだったんですけど、液体が入った。団子状態になってる乗客の方に向けて液体を振りまいた。放射状に頭の上からかけるような感じ」 この隙に、夫婦は逃げました。 夫「逃げるならこのタイミング、この状況ならナイフは使えないだろうと。犯人の左脇ですかね、隙を見て駆け抜けて私が逃げて、妻があとを追って右側から逃げて」 その後、燃え始めた車内。 夫は煙を吸い込み、病院へ搬送されましたが、無事だったといいます。 妻「車両移動して来られる方とか、隣に座って来られる方はすごく恐怖に感じました」 ◇ 「ハロウィーンの日を狙った」と供述している服部容疑者。 人出の多い“ハロウィーン”に狙いを定め、準備を進めていたとみられます。 捜査関係者によると、滞在していたホテルと１か月間の宿泊契約をしていて、事件翌日に、チェックアウトする予定だったことが新たにわかりました。 服部容疑者は、このホテルを拠点に、ライターオイルを入れていたとみられるペットボトルや殺虫剤、ジッポーライター、ナイフなどを準備していました。 当日、これら全てを入れたとみられるリュックを持ち、犯行直前、渋谷に向かいます。 記者「服部容疑者は電車を降りた後、渋谷駅付近のコインロッカーに荷物を預けたということです」 かなりの重さと思われるリュックをコインロッカーに預けた後、人であふれる渋谷の街を徘徊（はいかい）していたとみられます。 このおよそ１時間半後、京王線の車内は恐怖に包まれました。 事件後、人々の間には不安が広がっています。 ２０代女性「電車がちょっと怖くなりました。今日もタクシー移動です」 親子連れ「時代が変わって物騒になってきてるのかなと。どうやって対策とればいいかわからない」 当時車内にいた夫婦（夫） 「（電車は）生活上欠かせない移動手段ですし、最終的には助け合いになりますから、今後、鉄道会社さんとかも注力してくれると思うので、そこに期待していきたいと思います」
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