【動画】臨床医が解剖に関わる意義や、死因究明の重要性について語る森田沙斗武医師=山本逸生撮影
あるときは死者の声に耳を傾け、あるときは患者の病と向き合う。そんな医師が大阪にいる。解剖と臨床の現場を行き来しながら、人の死を生にどう生かすか、模索を続けている。
「体調はどうですか」
大阪府羽曳野市にある大阪はびきの医療センターの内科医、森田沙斗武(さとむ)さん(39)は7月中旬、診察室にいた。患者の高齢女性に近況を尋ね、体に聴診器を当てた。
「うん、良くなっていますよ。暑いから脱水に気をつけてね」
森田さんが明るく声をかけると、女性はほっとした表情を浮かべた。
その1週間前。森田さんは同じ病院地下の解剖室で、ステンレス製の台に横たわる高齢男性の遺体と向き合っていた。
男性は数日前、独り暮らしの自宅で亡くなっているのが見つかった。肋骨(ろっこつ)が折れており、死因を調べるために大阪府警が森田さんに解剖を頼んだのだった。
森田さんは腐敗が進んだ遺体をじっと見つめると、立ち会いの警察官に「死後1カ月ほどでしょう」と告げた。メスを握り、体内を調べていった。
生きた人を診る「臨床」と、死んだ人に対する「解剖」。対極的な領域の両方に身を置く森田さん。珍しいキャリアを歩んできたのにはわけがあります。
2時間に及ぶ解剖の結果、男…
からの記事と詳細 ( 臨床と解剖に携わる「異色」の医師 切り離せない病と死、抱いた疑問 - 朝日新聞デジタル )
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科学&テクノロジー
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