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Saturday, October 2, 2021

園児熱中症死の保育園、送迎バスを廃止…保護者に安全管理対策を説明 - 読売新聞オンライン

 送迎バスに取り残した男児を熱中症で死亡させる事件を起こした福岡県中間市の私立双葉保育園は2日、保護者説明会を園内で開いた。県と市の改善勧告に従って運営体制を刷新し、園児の安全管理方法を改善したことを説明したほか、送迎バスの廃止も報告した。ただ、同園では事件後に保育士が複数退職し、園児も3分の1が退園。経営を危ぶむ声もあり、十分な人員確保など安全を守る体制が構築できるかが問われる。

 県警などによると、園児の倉掛 冬生とうま ちゃん(当時5歳)は7月29日朝、女性園長(当時)が1人で運行する送迎バスに乗車。夕方に発見されるまで約9時間放置され、死亡が確認された。県警が業務上過失致死の疑いで捜査を続けている。

 説明会は2日夜、非公開で行われ、保護者約60人が出席。終了後、9月に就任した梅田典子園長(運営法人理事長)らが取材に応じた。会場では、梅田園長が冒頭、「ご迷惑をおかけして申し訳ない」と謝罪し、送迎バスについては「事故を起こしたので廃止した」と伝えたという。

 男児の不在を職員が誰も疑問視できなかった原因となった出欠確認の不徹底を改善し、各種事故を予防するための独自マニュアルを作成したことも説明し、保護者からの質問や意見などはなかったとしている。

 一方、保護者に約束した安全対策を徹底するには、経営面の安定や職員数の確保が欠かせないが、市と園によると、8月末までに保育士4人が退職。別に復職者もいるが、事件前より少ない状態だ。約140人いた園児も1日現在で93人に減っているという。園には園児数に応じて国などから補助金が出ており、ある園関係者は「退園者が増えれば、経営が危ぶまれる恐れも出てくる」と懸念する。

 梅田園長は取材に対し、現状の職員数でも対応できるとの認識を示し、「定期的な研修で保育士の質を向上させたい」と語った。

 福岡県保育協会の万田康会長は「事故防止には、日頃から小さな『ヒヤリハット』を含めて記録、分析することが大事で、その積み重ねが保護者の信頼回復につながる。地域での保育の場を維持するためにも、基本に立ち返って対応してほしい」と話している。

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