【ワシントン＝蒔田一彦】米ワシントンの連邦議会警察によると、２日午後１時（日本時間３日午前２時）頃、議会議事堂北側に設けられた検問所に乗用車１台が突っ込み、警戒中の警察官２人をはねた。２人は病院に搬送されたが、このうち１人が死亡し、もう１人も負傷した。車を運転していた男は車外に出て、刃物を振り回したため、警官隊に撃たれて死亡した。 【写真】アメリカ大統領選２０２０ トランプ氏ｖｓバイデン氏
事件直後に記者会見した地元警察幹部は、犯行の動機は捜査中とした上で、「テロとの関連はないようだ」との見方を示した。警察は男の身元を発表していないが、ニューヨーク・タイムズ紙など複数の米メディアは捜査当局者の話として、男はインディアナ州出身の２５歳だとし、実名で報じている。
議会はこの日休会中だったが、事件を受けて議事堂は一時封鎖され、周辺の道路も通行止めとなった。
事件を受けてバイデン大統領は、「死亡した警察官の遺族らに心からのお悔やみを申し上げる」との声明を出した。「議会警察や州兵など、今回の事件に素早く対応した人々に国家としての感謝を表したい」とし、弔意を示すためにホワイトハウスなどで半旗を掲揚するよう命じた。
今年１月６日には、トランプ前大統領の支持者らが議事堂を一時占拠する事件が起き、警察官を含む計５人が死亡した。事件後、議事堂周辺にはフェンスが設置され、現在も規模は縮小されたものの、警備のために州兵が動員されている。
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