新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言に合わせ、政府が改定する基本的対処方針の原案が分かった。宣言の対象となる東京都と埼玉、千葉、神奈川3県で知事が飲食店に休業を指示できるよう政令を改正し、不要不急の外出の自粛要請も行う。菅首相は7日に宣言を発令する予定だ。
現在、感染が拡大している地域の知事は、新型インフルエンザ対策特別措置法24条に基づいて飲食店に営業時間短縮を要請しているが、「応じない店が多い」(政府関係者)のが実情だ。
宣言発令後は、特措法45条に基づきキャバクラやカラオケ店などに休業要請もできる。時短や休業の要請に応じない店には指示を出せ、店名も公表されるため、一定の効力が見込まれる。ただ、特措法と同法施行令が規定する対象施設に飲食店は含まれていないため、施行令改正で追加する。
加藤官房長官は5日の記者会見で、施行令について「宣言と同じタイミングで改正すべく作業している。まず飲食店が挙がる」と明言した。対処方針には「要請、指示の対象となる施設等の所要の規定の整備を行う」と盛り込む予定だ。
1都3県は8日から、酒類を提供する飲食店などへの営業時間の短縮要請を午後10時から同8時に早め、12日からは飲食店全般に対象を広げる。政府は時短や休業の指示を可能にすることなどで、こうした取り組みの実効性が高まるよう後押しする。
1都3県からの感染拡大を防ぐため、対処方針には不要不急の旅行など「都道府県をまたいだ移動の自粛」も盛り込む見通しだ。大規模イベントの人数制限の強化も検討する。
首相は、宣言発令の是非について7日に基本的対処方針等諮問委員会で意見を聞き、諮問委員会が妥当だと判断すれば、対象区域と期間を明示して宣言発令を決定する。国会への事前報告の後、7日夕に発令し、国民向けに記者会見で説明する予定だ。
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