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Friday, August 21, 2020

重体のロシア反体制派ナワリヌイ氏、22日にもドイツ移送 - 日本経済新聞

2018年1月、モスクワの反政権デモに参加するアレクセイ・ナワリヌイ氏(中央)=AP

2018年1月、モスクワの反政権デモに参加するアレクセイ・ナワリヌイ氏(中央)=AP

【モスクワ=小川知世】ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が意識不明の重体となっている問題を巡り、入院先の西シベリア・オムスクの病院は21日、同氏のドイツへの移送を許可した。同氏の関係者は毒物を盛られた疑いがあると主張している。病院の医師は同日、毒物は見つかっていないと否定した。

ナワリヌイ氏は20日、西シベリアからモスクワに向かう飛行機内で体調不良を訴えて意識を失い、緊急着陸したオムスクの病院に搬送された。

家族はドイツでの治療を希望し、独仏首脳も支援の用意を表明した。病院は当初、容体が安定していないとして移送を拒否したが、一転して許可した。22日朝にも医療用輸送機で搬送される。

支持者らの間では政権批判で知られるナワリヌイ氏が毒物を盛られたとの見方が広がっている。

関係者によると、同氏は空港でお茶を飲んだ後に飛行機に搭乗したが、離陸直後に体調が急変した。オムスクの病院の医師は当初、毒物が原因の可能性を示したが、21日に「毒物やその痕跡はない」と打ち消した。病院には警官らが多数集まり、家族らを病室から遠ざけたという。

同氏の関係者は病院の医療体制は不十分で、移送拒否の背景には政権の意向があるとして「命が脅かされている」と訴えていた。同氏の妻は21日にプーチン大統領に嘆願書を出した。ナワリヌイ氏周辺では安全の確保や真相究明のためにもドイツへの移送を求める意見が強まっていた。

ロシアでは反体制派の活動家らが中毒症状を訴える事例が過去にも起きている。ナワリヌイ氏は反政権デモを呼びかけ、繰り返し治安当局に拘束されているが、2019年にはモスクワの拘置所で顔が腫れるなどして入院した。同氏側は毒物を盛られた疑いがあると主張していた。

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