5日に投開票された徳島市長選で、現職を破った新人でまちづくり団体代表の内藤佐和子さん(36)は難病を抱えながら、「若者が元気を出せるまちづくり」の実現を訴え、世代交代や市政刷新を求める有権者の心をつかんだ。前大津市長の越直美さんの36歳6か月の記録を半年更新し、史上最年少の女性市長になることが決まった。
内藤さんは徳島市出身。東京大の文科三類に入学したが、弁護士になろうと文科一類に入り直した。20歳の頃に、進行すると手足のしびれや視野が狭くなる難病の「多発性硬化症」を発症。医師から「ストレスで症状が悪化する」と言われ、弁護士の夢をあきらめたが、難病研究の支援活動に従事した。難病の経験をつづった「難病東大生」を出版し、話題となった。
内藤さんは大学を卒業した後も、まちづくり団体「徳島活性化委員会」の代表として、若者と一緒に徳島の商店街をもり立てるイベントを企画。子育てをしながら、徳島市の公募に応じて、行財政改革などに意見を述べる市民委員などを歴任した。今年1月に「育ててくれた徳島に報いたい」と決意し、出馬を表明。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大規模な集会が開けず、SNSを活用した。
今回、自民党の国会議員内でも、福山守衆院議員(比例四国)が内藤さんを、後藤田正純衆院議員(徳島1区)が現職の遠藤彰良さん(64)をそれぞれ支持するなど保守分裂選挙となった。かつて徳島で同じ自民党の三木武夫元首相派と後藤田正晴元副総理派が激しく争った選挙になぞらえて、「令和の阿波戦争」と呼ぶ人もいた。
この日は午後10時過ぎに当選が確実となり、内藤さんは徳島市内の事務所で、集まった支持者と万歳した。難病による公務への影響について、「体調に不安はない。市長を全うできる自信はある」と力を込めた。
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April 05, 2020 at 04:47PM
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「難病東大生」出版、史上最年少の女性市長が誕生 - 読売新聞
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