新型コロナウイルスに感染して北海道旭川市内の病院に入院していた、同市の飲食店経営の70歳代男性が退院し、13日、読売新聞の取材に電話で応じた。男性は「感染して入院すると1か月間は生活が全てストップしてしまう。このつらさは尋常ではないので、感染予防に努めてほしい」と訴えた。
男性は先月16日、朝から頭痛があり、その晩に37度5分の熱が出た。風邪薬を飲むと翌朝に熱が下がったが、その後も発熱と解熱を繰り返した。「最初は風邪だと思った」という。
男性は気管支ぜんそくの持病があり、同19日、保健所に電話相談。翌日、病院でレントゲン検査と血液検査を受け、肺炎とわかった。すぐに防護服姿の医師にたんなどの検体を採取され、2日後、新型コロナウイルスに感染していることが判明。市内の感染症の指定医療機関に入院した。男性は「まさか自分がかかるとは思わなかった」と話す。
旭川市が新たな感染者として男性について発表する際、男性は経営する飲食店名を公表するよう、同市に申し出た。感染者の特定につながる情報の公表は異例のことだ。男性は「正確な情報を伝えることで、これまで関わった人に気を付けてもらいたかった。お客さんを不安にさせたくなかった」と理由を語る。店は3日間臨時休業し、業者が店内を消毒した。
男性が入院した翌日、60歳代の妻の感染もわかり、同じ病室に入った。男性は入院から1週間はせきが止まらず、眠れない状態が続き、以降は楽になった。今月上旬、2度の検査で陰性だったため、11日、妻とともに退院した。
男性は医師から「2週間は不要不急の外出や人混みを避けて」と言われ、今は自宅で過ごしている。「普段の生活に戻れてほっとした。日常のありがたみを感じている」という。
発症3日前の先月13日、JR札幌駅から千歳駅に向かう満員電車で、近くにいた50歳代くらいの男性がマスクをせずにせきこんでいた。男性はこのときに感染したような気がしており、「うつらない、うつさないためにもマスクは必要だ」と訴える。
男性は仕事柄、普段から手洗いやアルコール消毒は人並み以上に気を付けていたという。「どこで感染して、どこでウイルスを広げているか、わからないのが怖い。まずは感染しないため、より強い意識をもって予防をしてほしい」と話している。
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March 13, 2020 at 07:02PM
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感染し入院の男性、退院後に語る「つらさ尋常ではない」「手洗い消毒は気を付けていた」 - 読売新聞
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